猫丸邸騒動記

猫よりも 猫らしくとや 猫の道

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

流れ島流離譚 2

あたたかく湿り気のある風が頬にかかり、助かった、南の島だ、という安堵で、知らず知らずのうちに緊張で固まっていたらしい体がふっとゆるむ。 何しろ寒がりである。氷に閉ざされた極域の島になど送られたらどうするつもりだったのか、今さら自分の向こう見…

流れ島流離譚について

こんにちは。猫丸です。 人知れずひっそりとおかしな話を書きはじめました。昨日かおとといあたりに、どこかの世界で本当にあった物語。それが「流れ島流離譚」です。しばらく続きます。 今これを読んでいる方は、奇跡的に低い確率でこちらへ漂着されたはず…

流れ島流離譚 1

島流しにしてくれよう、それが言うので望むところだと私も応じた。 早まったかとすぐ後に思ったが、すぐだろうが三日後だろうが後にまわっては手遅れであるし、島というものが好きなのだからどうもあまりひどい目に遭う気がしない。 ふふふふふ、と不気味な…